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2022年01月05日

せんせいのたまごセミナー~大学での学びについて

 新年明けましておめでとうございます。皆さまにとりまして、今年が穏やかな一年となりますように心よりお祈り申し上げます。
 このブログを読んでくださっている方には、現在高校に通われていて、近々大学に進学して教師や保育士になるための学びをしたいと考えておられる方が多いだろうと思います。そのことを前提にしまして、きょうは次のような話をさせていただこうと思います。それは、現在の高校での学びと大学での学びとは、根本的に異なっているということです。
京都ノートルダム女子大学キャンパス
 一年は前期と後期の2学期である。1学期の授業週数は15週である。すべての科目は履修登録をしなければ受講することができない。1回の授業は50分間ではなく90分間である。学科末の試験の結果次第では単位を取ることができず翌年度にその科目を再び履修しなければならない、等々。すでにこのようなことをいくらかは聞いていらっしゃることかと思いますが、大学での学びは、高校までの学びとさまざまな点で異なります。ですが、ここではそうした制度や仕組みの話をしたいのではありません。

 次のような少し先の自分のことについて想像してみてください。あなたが大学を卒業して、教師や保育士になったとします。そのとき、あなたは、授業を受ける立場ではなく、授業をする立場、保育をする立場になっています。毎日、計画を立て、準備をして、目の前の子どもたちとかかわりながら、授業や保育をしていかなければなりません。それは、生徒として授業を受けているのとはずいぶん違います。そのとき、あなたは、かけがえのない一人ひとりの子どもたちを育てるということに対する大きな責任を引き受けているのです。

 このように、高校までの授業を受けている立場と、教師や保育士として働きはじめてからの授業や保育をする立場とでは、まったくと言っていいほど異なります。では、このような立場の転換が、いつ、どのようにして可能になるのでしょうか。その転換を可能にするのが、大学での学びなのです。4年間、大学で学びながら、教師や保育士になって授業や保育をする立場へと成長していくのです。

 そうであるならば、4年間、大学でどんなふうに学ぶのかが、きわめて肝心なことになります。高校までと同じように、授業のなかで先生から求められたことをやっているだけでは、とてもではありませんが、授業や保育をしていく立場にはなれないでしょう。大学では、先生から求められなくても、自分が関心をもったことや素朴に疑問に思ったことを、自分で本や資料を探して読み、徹底して探究していくこと、そのことをおもしろがれることが決定的に重要です。自分の見方や考え方を豊かにするために、自分とは異なる見方や考え方をもつ友人と対話することをとおして、お互いのちがいから学び合うことが必要です。自分の人間としての器を大きくするために、大学の外の人やものと出会い、これまでやったことのなかったことにチャレンジしていくことも不可欠でしょう。

 こんなふうに、大学での4年間をとおして、「自分が自分自身を育てる学び」を展開できてこそ、あなたは教師や保育士として授業や保育をする立場、子どもたちを育てていく立場に立てるようになっていくのです。私たちこども教育学科の教員は、そうした「自分が自分自身を育てる学び」を展開しようとするあなたにかかわって、あなたならではの学びを支援していきたいと願っています。京都の下鴨のキャンパスで、お会いできる日を楽しみにしています。



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Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 18:53 │せんせいのたまごセミナー