2022年10月24日
ある教育実習生の話
私たちの学科では、学生が地域の学校園で教育実習をさせていただいている間に、この学科に所属している教員がその学校園を訪問し、実習の様子を見せていただくことにしています。きょうは、先日、ある小学校で実習をさせていただいた学生についてお話ししたいと思います。ここでは、その学生のことを内村さん(仮名)と呼ぶことにします。
内村さんが入れていただいたのは、3年生のクラスです。私が訪問した際は、国語の詩の単元の授業をさせてもらっていました。詩を何度か音読し、その詩のえがいている情景をイメージして、そのイメージのイラストを描いてみるという内容です。
最初、内村さんは、廊下側に座っている、よく発言するこどもたちとのやりとりを中心にして授業を進めていました。実習生は、しばしば、このような授業をしてしまいます。ですが、そうすると、そのよく発言するこどもから遠くにいるこどもたち(この場合、窓側に座っているこどもたち)は、授業から抜けていきます。つまり、テキストから目を離したり考えることを止めたりするようになります。

内村さんが授業を進めるにつれ、そうしたこどもが増えてきました。ですが、内村さんは、ここで、そのことに気づいて、窓側のこどもたちの方に近づき、そのうちの一人のこどもと目を合わせて、「〇〇さんは、どう思う? 先生、〇〇さんの考えも聞きたいな」と話しかけました。その途端、窓側のこどもたちの授業に対する姿勢が変化しました。
また、描いたイラストをこども同士で見せ合う場面では、ひとりのおとなしい女の子が内村さんの後ろからそっとからだを寄せてきました。内村さんは、そのこどもに気づき、姿勢を低くして、話に耳を傾けました。話を聞いてもらった直後、そのこどもの表情は、ぱっと明るくなりました。
内村さんは、この秋、初めて小学校で授業をしました。授業のデザインの仕方や教材についての理解は、まだまだ不十分です。ただ、私には、彼女がこどもたちに寄り添おうとする姿勢をしっかりと持っていることがはっきりと分かりました。きっといい教師になれるだろうと思います。
田中 裕喜

Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科
at 15:20
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