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2022年10月17日

こどもが楽しく分かる社会科授業「フィールドワークその5」

 
 本日は、フィールドワーク第5弾です。

 京都市の住所表記に中には、「上る(あがる)」「下る(さがる)」「東入る(ひがしいる)」「西入る(にしいる)」などと表記されるものがあります。京都市民でない人からすると、分かりにくい表記です。(筆者自身、兵庫県明石市民であり、京都市民ではありません。)

 「東入る」「西入る」はそのままの意味であり、「東へ」「西へ」という意味です。

 それでは、「上る」「下る」とはどう意味なのでしょうか。

 諸説あるのですが、かつては御所へ向かうことを「上る」、御所から離れることを「下る」といっていたそうです。
御所が都の最北部であったため、結果として北へ向かうことが「上る」、南へ向かうことが「下る」となり、御所より北にまで町が広がった際には、御所より北にある位置から、さらに北へ向かうことも「上る」と言うようになったそうです。

 その結果、現在では、北へ向かうことを「上る」、南へ向かうことを「下る」と表現しています。

 実際、京都の地形を考えると、その表現はしっくりときます。写真は、筆者が作成した京都市の地形図です。

こどもが楽しく分かる社会科授業「フィールドワークその5」

(筆者が作成した京都市地形模型①)



こどもが楽しく分かる社会科授業「フィールドワークその5」

(筆者が作成した京都市地形模型②)

 
 京都市は、北の標高が高く、南に向かって緩やかに下る傾斜地になっていることが分かります。
また、東には、東山と呼ばれる山があり、急峻な断崖があることが分かります。地形を基に、史跡仏閣の位置を見ていくと、改めて京都の人々が、上手に地形を利用しながら街をつくっていたことが分かってきます。

 社会科教育学ゼミでは、フィールドワークも大切にしています。今年度も3年生4名のゼミ生と大学から歩いて御所に向かいました。その際には、街の広がりと地形の関係や、なぜそこに史跡があるのか、寺社があるのかといった問いを語り合いながら歩きました。
 
 社会科教育において大切な、自分自身で「問い」をもつことにつながります。社会科教育は、ただ知識の量を増やすためだけの教科ではありません。「なぜ、そうなっているのか」といった自らもった問いを、探究することによって新たな知識を習得していく教科です。そのようなことを日々、学生さんたちと語らっています。

 近々、社会科教育学ゼミでは、新たな視点で第二弾フィールドワークを行う計画を練っています。機会があれば、報告したいと思います。

大西慎也



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Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 15:43 │せんせいのたまごセミナー