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Posted by 京つう運営事務局  at 

2022年05月25日

事例の中には学びがいっぱい!!!

 どんな保育者になりたいですか。こどもの気持ちにより添える保育者?こどもの成長に合わせて保育できる保育者?保護者に安心して預けてもらえる保育者?いかがでしょうか。幼稚園 保育者と子ども

 皆さんがなりたいと思っている保育者になるためには,大学で勉強したり,実際に幼稚園や保育所で実習することが必要になります。でも,それだけはあなたが目指す保育者になれるとは限りません。そこで,今回はあなたが目指す保育者になるための方法を紹介したいと思います。
 その方法とは「保育の事例を読む」ことです。保育の事例には,日々の保育の出来事だけではなく,生活や遊びの中での保育者とこどもとの関わり,こども同士のやりとりなどが記述されています。また,保育者が対応に困った出来事などについて書かれているものもあります。そして,それらの事例では,保育者のこどもの捉え方(こども理解),それに応じた関わり方やその意図・ねらいなども書かれています。つまり,事例には,日々,保育者がどのようなことを考えてこどもと関わっているのか,その神髄が隠されているといっても過言ではありません。こういった事例を読むことにより,こども理解の方法,それに基づいた関わり方などを学ぶことができるのです。読み聞かせのイメージ

 また,事例を読むだけでなく,自分であればこどもの気持ちや行動をどのように理解するのか,どのように関わろうとするのかについて考えることも大切です。そうすることで,今現在の自分のこどもの見方,保育の考え方の特徴も理解できるようになるでしょう。自分の考え方の特徴がわかれば,次に自分が目指す保育者との違いなどについて考えてみることも良いことだと思います。これらを繰り返すことで自分のなりたい保育者に少しずつ近づいていくと思います。
 たくさんの事例を読んで,あなたが目指す素敵な保育者になってください。応援しています。

畠山 寛
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 18:04せんせいのたまごセミナー

2022年05月10日

せんせいのたまごセミナー~コロナ禍の子どもたち

 新型コロナウイルス感染症が国内で確認されてから3度目の春を迎えましたが、いまだに終息する兆しが見えません。学校教育にたずさわる教師たちは、コロナ禍が子どもたちの生活と学びに大きな影響をもたらしていると口を揃えて言います。では、具体的にどのような影響をもたらしているのでしょうか。それを科学的に知る手立てがあります。東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は、2015 年以降 7 年間にわたって、同一の子どもたちを対象に意識や行動の変化を調査しています。この調査を通して明らかになったことを見てみましょう。
発熱しているこどもの様子

 「勉強しようという気持ちがわかない」という子ども(とてもあてはまる+まああてはまる)は、2019年(45.1%)→2020年(50.7%)→2021年(54.3%)と、3 年間で9.2 ポイント増加し、半数を超えました。学校段階別にみると、学校段階が上がるほど数値が高まり、小学生の4割、中学生・高校生の6割が「勉強しようという気持ちがわかない」と答えています。

 同一の子どもの変化に注目すると、2019年から2021年にかけて学習意欲が向上した子ども(意欲向上群)は11.2%、低下した子ども(意欲低下群)は25.8%、変化のなかった子ども(意欲高いまま+意欲低いまま)は63.0%でした。個人の変化でみても、「意欲向上群」に比べて「意欲低下群」が多くなっていることがわかります。

 こうした子どもの学習意欲が低下している傾向には、どのような要因が関わっているのでしょうか。2019年から2021年にかけて、「上手な勉強の仕方がわからなくなった」と答えた子どもは「意欲低下群」の出現率が高く、逆に「上手な勉強の仕方がわかるようになった」と答えた子どもは「意欲向上群」の出現率が高いことがわかりました。また、「授業が楽しくなくなった」と答えた子どもは「意欲低下群」の出現率が高く、「授業が楽しくなった」と答えた子どもは「意欲向上群」の出現率が高いことがわかりました。2019年から2021年にかけてもごく短い間に、「上手な勉強の仕方」がわかるようになった子どもとわからなくなった子ども、「授業」が楽しくなった子どもと楽しくなくなった子どもとの間で、学習意欲に格差が生じているのです。
いろんなこどもの様子
 「上手な勉強の仕方」がわかるようになった子どもがいる一方で、それがわからなくなった子どもがいる。「授業」が楽しくなった子どもがいる一方で、「授業」が楽しくなくなった子どもがいる。このことが何によるのかは、調査からうかがい知ることはできませんが、コロナ禍における学校と家庭の教育のあり方が影響していることは確かでしょう。コロナ禍によって、学校での対面授業や行事や部活動が減りました。その減少した機会を補える学校・家庭とそうではない学校・家庭との間で、子どもたちの学びに格差が生じています。困難な状況が続くなかでも、すべての子どもの「質の高い学び」を保障していくことが、現在の教師たちには求められているのです。  


Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 17:11せんせいのたまごセミナー