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2021年10月28日

せんせいのたまごセミナー~二つのそうぞう力~特別支援教育から

二つのそうぞう力~特別支援教育から

 みなさんの中で空を飛べる人はいるでしょうか?
 鳥は飛ぶことができます。人は鳥ではないので自分の力で飛ぶことはできません。障害のある人だけが、「できない」ことがあるのではなく、すべての人が自分ではできないことがたくさんあります。
人は自分の力では飛ぶことができませんが、空を飛ぶ方法はあります。例えば飛行機に乗れば、人でも空を飛ぶことができます。このようにできないことも何らかの方法を使う、他の人の支援を受けてできることも多くあります。
 その人が「できる」状況は、様々あるということです。障害のある人でもその人のできる状況を作り出せます。その「できる状況」を考え、作り出すのが指導者の役割になります。
 障害のある人のイメージを問うと、多くの人は「~ができない人」「理解することが難しい人」といったような答えが返ってきます。でも決してできない存在ではありません。障害により様々な壁が立ちはだかって、難しくしているのです。
 もともとはできる存在であるのだということを忘れてはいけないと思います。特別支援教育での基本的な立場のひとつは、子どもたちは「できる存在」であり、そのできる状況を作り出すのが教員の役割であるのです。
ところで、子どもたちは「突然かんしゃくを起こす」「友達に噛みつく」「学校に行くのを嫌がる」など様々な姿を見せてくれます。そのような時に、みなさんはどのように対応しますか?
 なぜそのようなことをするか、理由が予想できることもあるのですが、わからないことも多いです。
そうすると、どのように接していいのか分からず、特には不適切な対応をしてしまうかもしれません。
 子どもたちの前に立つ時に、私たちは『そうぞうりょく』を働かさないといけません。そうぞう力
 『そうぞうりょく』といった時に2つの漢字を当てはめることができます。分かるでしょうか?
 一つ目は、心に思い描くという想像力です。そしてもう一つは作り出すという創造力です。
 思い描く想像力では、「なぜそのような行動をするのだろうか」という原因について考えることです。
 作り出す創造力は、どうすればよいかを考え、実行することです。原因が分かればその対処の仕方も導き出すことができます。
 でもどんなに考えても原因が分からないことも多いです。しかし真剣に原因について考えている、その子のことを思っている姿は子どもにも伝わるものです。

WebOCミニ講義
【京都ノートルダム女子大学】 こども教育学科 ミニ講義「特別支援教育 ~『特別』『支援』について考えよう」





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Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 10:10 │せんせいのたまごセミナー