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2021年07月22日

せんせいのたまごセミナー~ピアノ未経験なのですが・・・

うちの子はピアノ未経験なのですが、大丈夫でしょうか?

 小中高等学校は夏休みに入ったところが多いのではないでしょうか。本学は今月いっぱいまで授業があり、8月上旬ぐらいまで前期試験期間となります。そのあとやっと夏休みに突入しますが、後期が始まるのは9月下旬。長い夏休みとなるのです。

 先日、2回生の学生さんが研究室にやってきました。本学は入学1年目しかピアノの授業がありません。「卒業までピアノの授業がもうないのですが、習いに行きたくても、バイト代からお月謝を出す余裕がないので、夏休みから自習しようと思います。どんな本を使えばよいでしょうか」ということでした。学生の月々のバイト料を考えると、毎月お月謝を支払うのは大変だと思います。そこで学生さんには後であらためて来てもらい、おすすめの楽譜を貸してあげました。うまくいきそうなら、この教本をシリーズでそろえて頑張ってもらいたいと思います。質問があればいつでも来るように伝えました。
ピアノに合わせて踊る子供たち

 オープンキャンパスの際の進学相談で親子ともども聞かれる相談のうち、毎回あるのが「ピアノを習ったことがないのですが、ついていけるでしょうか?」というものです。この質問には「未経験でも先生になれるでしょうか?」というのと、「未経験ですが、この大学での授業についていけるでしょうか?」という2種類があるように思います。「入学者の半分以上が未経験の学生さんたちですから、ご安心ください」とお答えしています。答えになっていないかもしれませんね。

 多くの保育者・教員養成校の、音楽教員としての悩みを大きく占めるのは、①「どうすれば全員が必要最低限のピアノ演奏力を身に付けられるか」です。理由は未経験者がかなり増えたからです。ピアノ経験のある学生が半分以上だったのは30年も前のことで、ピアノの授業に割り当てられた授業数や設備は変わりません。なので、②「どのような内容の授業にすれば、子どもに気付きを与え、子どもの反応を感じ取って対応できる技術」を身につけられるかという点まで、なかなか行きつかないのが現状のようです。①の力があるから②ができるとは限りませんが、②の力は①があってこそ出来ることです。①の力がないところに、無理やり表面的に②を施しても、メッキはすぐに剝がれるものです。

 ICTの活用なども含め、学ぶことが昔と比べてずっと増えていることも一因です。たとえば超高齢社会となった現在、高齢者にもICT教育が必要だという考え方がされるようになりました。ですから、人材育成という視点から、なおさら学生が学ぶことは増えています。

 一方でまだまだ人間のアナログな脳と能のつながりが必要なのが音楽学習です。結局「絶対に保育者・教育者になりたい」「子どもたちのために弾きたい」この気持ちを持続できるかにかかっていると思います。



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Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 10:50 │せんせいのたまごセミナー