京つう

学校・学生  |左京区

新規登録ログインヘルプ



2021年03月21日

せんせいのたまごセミナー~本学ミッション・コミットメントと特別支援教育

 ノートルダム女学院では、建学の精神である「徳と知」をよりわかりやすく『尊ぶ』『対話する』『共感する』『行動する』の4つの行動で表し、ミッション・コミットメントとしています。このミッション・ミットメントと特別支援教育で大切にしていることがとても重なります。

 障害があると、その人を「障害」ということからみてしまいがちです。その結果、「~できない」「~が難しい」などとネガティブな面が強調されることが多いです。しかし教育に携わるときに、ネガティブな面から子どもを見るのではなく、その子の全体から捉えていくことがとても大切です。障害のある子どもは決して「できない」存在ではなく、「できる」存在であり、そのために何が必要なのかを考えていくのが、その子に関わる教員の役割です。目の前にいる子どもを『尊ぶ』ことから、指導が始まります。

 『対話する』というときに、言葉だけではなく表情、動作などを通して行うことが多いです。言葉をしゃべらない、うまく言えない子どもを前にした時に、教員は「なぜできないのだろう」「どうすれば理解できるのだろう」等と想像力を発揮して考え、試してみることを繰り返しながら子どもと「対話」しています。この姿勢は特別支援教育においては大切なことです。
 教員の仕事は、感情労働ともいわれています。感情労働というと代表的なのが飛行機のCAさんが、自分の感情を押し殺して笑顔で対応しなければいけないというマイナスイメージで語られることが多いです。しかし特別支援教育の現場では、できなかったことができた喜びやなかなかできない悔しさ、悲しさなどを子どもと共有する『共感する』ことが多いです。また子どもの姿を通して、子どもと関わる保護者や多くの人と一緒に喜び、悲しむことができる現場でもあります。

 最後に『行動する』です。教員としては、まず子どもの指導です。その子が「分かるために」「できるようになる」ためにどのような場面で、どのような方法ですることが最も効果的なのかを、教員の創造力を発揮して考え、行動します。その子にあった指導法は、どこかに用意されているのではなく、子どもとの対話を通して見つけ出していきます。その際に子どもの好奇心を鼓舞して、もっと知りたい、わかりたい、やりたいという気持ちを高めることために、子どもを引き付ける方法の引き出しを多く持つエンターテイナーとしての役割など多くの役割をすることが求められます。また、子どもとの活動を地域社会の中で展開していくことは、多くの人々に障害のある子どもや特別支援学校についての理解を拡げることに繋がっています。特別支援学校の教育活動そのものが社会を変えていくひとつとなっています。
卒業式の一コマ

 本学では、3月13日に卒業式を行い、こども教育学科として初めての卒業生を社会に送り出しました。ノートルダム女学院のミッション・コミットメントに基づき多くのことを学んだ卒業生のみなさんは、新たな一歩を踏み出し、それぞれの場で活躍してくれることと思います。



同じカテゴリー(せんせいのたまごセミナー)の記事画像
遠隔授業が盛んになると、病弱教育は必要なくなるのでしょうか?
理科の授業でエネルギーの概念について考えよう
「NDラボ」の活動
ペットボトルツリー
手作り楽器
ある教育実習生の話
同じカテゴリー(せんせいのたまごセミナー)の記事
 遠隔授業が盛んになると、病弱教育は必要なくなるのでしょうか? (2023-01-23 00:07)
 理科の授業でエネルギーの概念について考えよう (2023-01-10 18:26)
 つながるキモチ (2022-12-23 17:13)
 「NDラボ」の活動 (2022-12-12 08:25)
 ペットボトルツリー (2022-12-05 08:25)
 手作り楽器 (2022-11-25 13:55)

Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 00:00 │せんせいのたまごセミナー