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2021年03月08日

せんせいのたまごセミナー~コロナ禍における体育授業~

 みなさんも経験されたと思いますが、昨年、新型コロナウイルス感染症対策による長期間の学校休校がありました。そのことによって子どもたちの運動不足や体力低下と、それに起因する身体面・心理面への悪影響が危惧されています。その後、緊急事態宣言が解除され、学校が再開されましたが、従前行われていたような体育授業を行うことは非常に困難である状況が続いています。また、コロナ禍で各学校の体育授業は大きく様変わりしています。特に、身体接触や用具接触の多い体育授業では、「手をつなぐ行為の禁止」や「ボールやバトンを介しての感染リスク」など、禁止事項が先行して、活動や行動に制限が加えられていることが非常に多いのが現状です。本来、体育授業では、体育学習の目的でもある、「他者との交流や関わり、コミュニケーション能力の育成」があります。新型コロナウイルス感染症により、身体接触という人との親密さや信頼関係を築く上で有効な非言語コミュニケーションツールが奪われ、スキンシップや身体的な関わりを大切にしてきた従来の体育ができない状況下におかれています。これらのことから、感染防止に配慮した体育授業づくりを行っていかなければならない必要性がありますが、その実践や研究は十分ではありません。withコロナ時代を考える視点から、さらに効果的な学習方法が体育授業の中に導入される必要があると考えます。
コロナ禍における体育授業の例コロナ禍における体育授業の例
 例えば右の写真のように新聞紙の上にボールを置き、ボールを新聞紙から落とさないように、スライドしながら新聞紙を引っ張ってボールを移動させます。用具の準備もルールも簡単で、発達段階や個人の能力によって差が少なく、なおかつ適度なバランス感覚や力加減が必要となる運動遊びです。
 コロナ禍において必要とされる、用具を使い回すことも避けられ、集団でのリレー形式に発展しても、ソーシャルディスタンスが確保される教材・教具となっています。
 友だちと教え合いながら、技の「コツ」を共有して、子どもたち同士や先生とも、「できる」喜びを分かち合えることは、以前にこのセミナーでも触れましたが、体育授業の「よさ」だと思います。新型コロナウイルス感染症によって新しい生活様式が必要となりましたが、体育授業にも新しいルールや方法を取り入れていくことが大切ではないでしょうか。



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Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 14:27 │せんせいのたまごセミナー