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2020年03月26日

「図画工作」の話

「図画工作」の話です。図画工作には「工作」と呼ばれる表現活動があります。「絵や立体に表す活動」も表現活動ですが、こちらはまず「こんな場面が描きたい」「動物園でみたキリンを粘土で作ろう」と自分のイメージ(心象)から活動が始まります。これらを心象表現と呼びます。それに対して「工作に表す活動」は適応(適用)表現と呼ばれ、使うもの(遊ぶもの)を作ったり、「これで何か作れないかな…」と、身近にある材料を生かして作りたいものを作ったりする活動です。
 これらの活動は、「ものづくり」を通して、自分自身や人々の気持ちや生活を豊かにする…「造形的な提案」とも言われています。今、日本中で行われている「手作りマスク」はこの適応表現だと言えるでしょう。
というわけで、やってみました。使う材料は不織布です。手芸用品店で入手できます(1㎡300円程度、マスク約20枚分)。まず、どんなマスクを作りたいか考えます。
①作るのが簡単、でもかっこいいもの。
②誰もが使いやすいように、あまり「手作り感」を感じさせないもの。
③今後、マスク不足が長引いた時にも対応できるもの。マスク

 これが学習課題です。まずはじめに市販のマスクを参考に作ってみました。二つ折りにした不織布の前の部分をミシンで縫います。裏返して装着してみると、どうも顔にフィットしません。市販のものは耳掛けの部分に、より収縮性のあるものが使われているようです。
マスク

 そこで、耳掛けの部分をゴムにしてみました。いい感じです。ただ、マスク用のゴムはどこも売り切れ状態です。そこで、輪ゴムで試しましたが、しばらく使っていると痛みを感じます。また、いかにも代用品という感じです。結局、糸ゴムという布でカバーされた細いゴムを使うことで解決しました。これで十分使用に耐えるのですが、よりフィットするように、これも市販のものを参考に、マスクの上部を鼻の形に固定する金具をつけました。いろいろ試した結果、お菓子の袋の口等を留めるのに使われるラッピング用ビニールタイがぴったりでした(ホームセンターで100本100円程度)。いくつか作っているうちに、使う人の顔の形に合わせて、ミシンで縫う線を少し調節するだけで一層ピッタリしたマスクになることも分かりました。使う人の嬉しそうな顔を見ると、もっと使いやすいものになるように工夫できないかと思います。これも「図画工作」の醍醐味です。よかったら、あなたも手作りマスクに挑戦してみてください。マスク

 そして何より、新型コロナウイルスによる感染拡大が一日も早く収束しますように。




Posted by 京都ノートルダム女子大学こども教育学科  at 22:15 │教育に関わる話題